SI(システムインテグレーター)業界の巨人・NTTデータが、総力をあげてIFRS導入の支援サービスを展開しようとしている。

 同社サービスの第1の特徴は、NTTデータ本体や子会社による個別の対応ではなく、NTTグループ全体でIFRS対応サービスを提供することにある。NTTデータは本体のみならず、グループ内にも、コンサルティング会社、システム構築会社を抱えている。

 したがって、IFRS適用のインパクト診断という準備段階から導入のロードマップ策定、システム構築、実行と運用定着、それを担う人材育成まで、網羅的かつ総合的にサービスを提供していく。いわばIFRS導入なら、「何でもござれ」「丸ごと請け負います」という内容になっている。

 第2の特徴が実績の活用。NTTデータグループ自体も、IFRSの適用を検討しており、その成果も顧客に提供していく。特に、サークエント、アイテリジェンスといった欧州のグループ会社は、2005年に欧州がIFRSを先行して適用を開始したため、すでにIFRS移行の経験がある。前者はBMWのIT子会社にNTTデータが出資してグループ会社となり、後者はSAPのグローバル・パートナーの1社である。

IFRS導入とITシステム更新の
整合性を取るという視点が重要

 「お客様にはIFRS導入のロードマップと、それに基づくITロードマップを早期に策定することが重要ですと、言っているんです」。こう語るのは、NTTデータIFRSビジネス推進室の日下部啓介課長。

 これにはふたつのポイントがある。ひとつはIFRSそのものの導入スケジュールである。2012年にIFRSを強制適用するかどうかの最終結論が出され、2015年または2016年から開始される予定だ。