100万キロワット級原子炉で
10トンの水を沸騰させるのに
どのくらいかかるか?

 日本の平均的な原子炉は100万キロワット級です。
 川内原発も伊方原発も89万キロワットですから、ほぼ100万キロワット級です。

 ここでみなさんにお尋ねします。

 100万キロワットの原子炉で、10トンの水を沸騰させて水蒸気に変えるのに、どれぐらいの時間がかかると思いますか?

 1トンの水は、縦・横1メートル、つまり1立方メートルのサイコロです。10トンの水は、その10個分ですから、大変な量です。
 いったいどれくらいの時間で、その10トンの水が沸騰すると思いますか?

たった1秒で、それが全部、水蒸気になる! それほど大量の熱が出ている。それが100万キロワット級の原子炉です!

 ですから、何かあれば、一瞬で、大事故に突入するのです。

 この国は、世界一の地震国ですよ。

 伊方原発は、中央構造線という日本最大の活断層の真上に原子炉があるので、それが動けば、制御棒を突っ込む時間がなく、そのまま大爆発して終りです。フクシマ原発事故では、震源が原発から130キロメートルも遠くの沖合だったで、揺れが襲ってくるまでに時間がありました。だから、制御棒を突っ込んで、核分裂を止めることには成功したけれど、伊方原発では、何もしないうちに終るのです。中央構造線とは、西日本の土台をつくった火山爆発の亀裂地帯なのです。ドーンと大地震が来た時には、伊方原発は終りです。しかも、フクシマ原発の「沸騰水型」は、300度以下で70気圧です。

 加圧水型はもっと高圧で150~160気圧です。つまり沸騰水型より2倍以上の圧力をかけています。高温高圧ですから、メルトダウンが始まったら、一瞬でダーッと大事故に突入してゆきます。

 フクシマとは比較にならないほど早く、原子炉が溶け落ちる。これは「加圧水型」が持つ宿命です。

 ところが日本で、川内原発を動かしてしまいました。バカ集団の原子力規制委員会の委員5人は、何も知らないド素人集団です。

 その配下の官僚──原子力規制庁の8割はどこからきたと思いますか?
 フクシマ原発事故を起こしたアホ集団、原子力安全・保安院です。事故を起こした当事者、責任者たちが、そのまま横すべりで原子力規制庁に入ってきて、デタラメ審査をしてきたのです。

 彼らに、「あなたはどこの出身か?」と尋ねると、みんな「保安院です」と答えます。そして彼らに何を質問しても、何も答えられない。
 原子力の専門機関のどこでも働いたことがない官僚たちが、原子炉の危険性を判断できるはずがない。

ド素人集団たちが、アンパイア役として次々GOサインを出している!

 川内原発2号機は、交換しなければいけない蒸気発生器を、交換しないまま動かしました。つまり、30年前のボロボロの蒸気発生器を使って、2015年10月に動かし始めたのです。頭がオカシイとしか思えない。ほどなく大事故を起こします。