「消費税率引き上げ延期」の旗を
どちらが先に掲げるか

 端的に言って、民主党が自民党に来年の選挙で勝つためには、「消費税率引き上げ延期」の旗印を「先に」掲げることが、是非、必要だ。もちろん、東西の維新党も、共産党も、そうするべきだし、自公政権としても、このカードを野党側に使われないためには、早く確保する必要がある。

 政権としては、有効なサプライズとしてこのカードを使いたいだろう。今は、2017年に税率引き上げを行うことが既定方針だというふりをすることが、来年の通常国会で官僚の協力を得るためにも適切だ。ついでに、選挙で協力を求める公明党に花を持たせることができたのだから、軽減税率のドタバタ協議はあれで上首尾なのだ。

 ともあれ、どちら側が先に「消費税率引き上げ延期」を掲げるか。これが、来年の政局の第一の注目点だ。

 民主党にアドバイスするなら、与党の財源の使い方と経済運営の両方に難癖を付けて、三党合意をさっさと反故にして、現時点での増税反対の立場を鮮明にするといい。より正しくは、「8%」の際の経済情勢判断も誤りだったと言って、自分たちも反省してみせて、「安倍総理、あなたも、判断を誤ったことをお認めになりませんか」と迫ってみてもいいだろう。しかし、この種の柔軟性は、「原理主義者」とも言われる岡田党首の得意とするところではなさそうで、民主党へのアドバイスは、それを考えるうちにテンションが下がる感があるのは否めない。

 しかし、あたかも役人のように、過去の合意や政策との連続性にこだわり、いつまでも過ちを認めずにいるのでは、政治家・政党はジリ貧になることを強調しておきたい。

 なお、民主党が消費税の「延期」を言えば、自民党もそうすることになるだろう。いずれにせよ、政策としては消費税率引き上げ延期が望ましいし、そうなった場合には、株価にもプラスの影響が及ぶので、投資家はその可能性に注意しておく方がいい。