「スーパーのレジ打ちや接客などと違って、対人がなさそうというのがいいのかもしれません。土木のような力仕事でもない。夜中の倉庫業務などは、若い子以外は期間限定になりがち。家族以外の対人関係のなかった人たちは、少しプライドの高いところがあり、上司が年下というだけで居づらい。警備員は、単独でやっている感じがするようです」(大橋社長)

 しかし、実際には、道路で住民に「ここは通れません」「回り道をお願いします」などと声をかけなければいけない。最初は、話すのが苦手で戸惑いがあるような人でも、社会で自立したい人、家から出ようとしている人たちにとっては、やりやすい仕事なのかもしれないという。

 登録制なので、自分のペースで仕事ができるのも大きい。

「1週間でどれくらい働きたいのか、今月はこの日を休みたいとかを自己申告制で聞いて、それらの希望に沿ったシフトが組まれます。今日入っている人も、明日はどこの現場か、終わったときに毎日確認を取っています」(大橋社長)

 現場で仕事するのは、週に1日でも半日でもOK。日勤も夜勤も選べる。そんな仕組みも、少しずつ働きたい人にとっては入りやすい。

 ただ、大手の警備会社の中には、毅然とした態度をとることや、白い歯を見せるなと厳しく指導される会社もある。

「会話ができたら、どの仕事よりも楽なんですけど、住民さんの印象が大事になるので、やはり難しい。覚えることも、非日常ではなくて日常なんです」(大橋社長)

“履歴書の空白”も気にしない

 採用にあたって、よく障壁になるのが“履歴書の空白”だ。しかし、大橋社長に聞くと「気にしない」という。

「引きこもるというのは、いろんな理由があるからだと思います。こういう性格からだからかもしれないけど、高校デビューとかあったじゃないですか。仕事しようとしている人間って、対人関係に何かがあってとか、仕事の意欲のある人ほど、いじめられてて引きこもる人も多い。そうであれば、そんな環境がなくなったところで働くのであれば、自分を変えようとしてもらった方がいいので、過去に何があったかはあまり気にしないですね」