こういった現実を直視することなく、短絡的に選挙年齢の引き下げを求め喜ぶ姿は「安っぽい」と感じてしまう。

「安易」な「どうせ変わらない」を捨て去れ!
夏の参院選、真の「一票の重み」

 つまり選挙権拡大は、選挙に行く人数を増やすことや、単なる低年齢化を目的としてはいけない。数より質、選ぶ側・選ばれる側双方の質を上げるために、選挙権を拡大するという視点が大事である。

 ちなみに、義務教育修了時点で選挙権を付与せよ、というのが筆者の持論である。同じく、過去ダイヤモンド・オンラインに寄稿した記事『「18歳選挙権」実現!10代の若者は政治の変革者になれるのか』を参照されたい。

 個人的には「選挙へ行ったってどうせ何も変わらない」という気持ちはよくわかる。確かに、一票の重みは極めて小さい。選挙というものは人を選ぶのであって、政策を選んでいるわけではないが、候補者がズラリと並んだポスター掲示板をいくら眺めても、みんな美辞麗句を並べ立てているように見え、誰を選んでいいのかわからない。その仕組みを変えたくても、どうやったらそれを実現できるかわからない。たとえば「議員定数」を削減しようとしても、「自治体」を廃止しようとしても、「参議院」を廃止したくても、どうすればいいのかわからない。

 まさにその仕組み――統治機構――を変革することを謳う「維新」が一定の根強い支持を受けるのは、こうした背景があってこそだろうが、維新も昨年は迷走した。

 8年間にわたって大阪の政界の中心人物であり続けた橋下徹大阪市長がついに引退した。5月に行われた大阪市における都構想を問う住民投票で敗北した際に政界引退を表明し、その約束を果たした形だ。それだけ統治機構を変えることは難しいということかもしれない。

 野党再編の流れが加速しつつも、橋下徹氏は安倍総理と会談し、与党入りも囁かれている。7月の参院選に向けて、これからの「維新」がどういう道を歩むのか、野党再編によって自民党と対抗できる新政党は生まれるのか、という政局面も注目に値する。