新年早々、国会開幕!
2016年の国会は暴走か、安全運転か?
新年が幕を開けた。
1月4日、第190回通常国会が召集された。今年は7月に参議院議員選挙を控えているため、なるべく早く国会を終わらせ「安心」して選挙に集中したい、という与党の意図が見える日程となった。
それにしても、昨年の世相を表す漢字に「安」が選ばれたが、残念ながら「安定」した1年だったとは言い難い。どちらかと言えば「不安」な1年だったように思う。
そんな中、戦後70年を迎えた昨年成立した安保法制は本当に私たちに「安全」をもたらしてくれるのだろうか。震災以来止められていた原発だが、昨年、ついに川内原発が再稼働された。だが、原発は本当に「安心」してよいエネルギー源なのだろうか。また、昨年末に米国FRBが発表した利上げにより「円安」が一層進むと見込まれる中、大筋合意されたTPPは具体的に私たちの生活にどんな影響を与えるのだろうか。
こうした人々の不安を背景に、お笑いタレント・とにかく明るい安村さんの「安心してください、穿いてますよ」というヒットネタが生まれたのかもしれない。
果たして、2016年は「安心」できる政治が展開されるのだろうか。政治家たちは日本を「安全」運転できるのか。昨年1年を振り返りつつ、今年の国会論戦の見どころを解説したい。
国民はそれほど反対していない?
改めて考える「安保」政策の転換点
2016年、最も注目すべき政治ニュースの1つは、新しい安保法の施行であろう。
昨年の国会シーンで記憶に残っているのは、衆議院の平和安全特別委員会で、野党議員たちが「自民党感じ悪いよね」などと書かれたプラカードを持って、委員長に詰め寄っていた姿だ。
そして昨年9月19日未明、参議院本会議にて安保法案が可決成立したが、ピンクの鉢巻をした女性議員達が並んで叫んでいたり、委員長の席に飛びかかってフライング・ボディ・アタックをかまそうとしていたり、およそ良識の府とは呼び難い光景も報道された。だが、これらのてんやわんやの奮闘も空しく、安保法案は国会を通過した。