サーキットブレーカー制度の停止の情報は早くから流れ、7日夜、人々は正式発表前から、携帯やパソコンの前で証監当局の発表を見守っていた。22時33分、取引所、証監会はサーキットブレーカー制度の一時停止を通達した。わずか4日の施行で、初のサーキットブレーカー制度は「夭折」した。

 証監会の中国式ライン「ウィーチャット」に流れたサーキットブレーカーに関する記者の質問に対する回答の閲読量は、数分の間に優に10万件を超えた。この制度は半年熟成させたが、デビューわずか4日で最終的に撤回され、練り直されることになった。

政策の失敗によって
一瞬のうちに失われた130兆円

 中国人民大学の洪○教授(○=さんずいに景+頁)はサーキットブレーカー制度を次のように論評した。「証監会当局者が最も望んでいた意図は裏切られ、市場の取引ルールを随意に変えようとしたが、試合をしながらルールを変えるようなもので、市場関係者の判断を混乱させ、彼らがどうすれば良いか分らなくさせ、市場を乱高下させた」。

 中国株式市場の乱高下は内発的な問題である。市場化改革が加速され、経済構造の調整が行われている時期に、成長の急激な減速、通貨デフレのリスクがまさに高まりつつある。中国上場企業の利益の乱高下は、経済の不確定性に伴って上昇している。こうしたリスクは簡単に取引ルールの操縦を通じて抑制されるものではない。

 中国の株式市場を見ると、日本などの国外証券市場と異なり、個人投資家が絶対多数を占め、保険などの機関投資家は重要な地位を占めていないことが分かる。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」現象が、中国の株式市場の現状を大変よく描写している。日米の株式市場が採用しているサーキットブレーカー制度に倣って、中国の株式市場の特性を理解せずに、やみくもに導入したこの制度は、中国の株式市場の乱高下を拡大し、最終的には新制度を失敗させた。

 古代中国で、人々は万里の長城を建設して外部から不確実性を封じ込めようとし、現代中国では、政府が内発的な要因による市場の乱高下を封じ込めようとしたが、どちらも為政者が計画と抑制に惚れこんでしまった。その思考や姿勢は、今も昔も変わりはない。残念なことに、これによって中国経済は巨額の損失を被った。第一財経は、この4日間にA株市場から6.6兆元(約130兆円)が蒸発した、と報じている。