だから、コミュニケーションが命
欲しいもの(≒要件)を言うのは業務担当者の仕事なのですが、紙を渡して「欲しいものを自由に書いてください」と言ってもうまくいかない。
そうすると、要件を引き出すのは、ITプロジェクトのプロであるエンジニアの仕事になります。
たとえ、業務に詳しくなくても「要件の引き出し方」にはコツがあり、優れたITエンジニアであれば、そのコツを身につけているからです。
・プロトタイプを見せながら、イメージとのギャップを話してもらう
・他社の事例を示して、自社との違いを聞き出す
・業務の流れにそって、IT機能を確認していく
・業務パターンを表にして、埋めてもらう
などなど、いろいろな方法があります。
どちらにせよ、「業務担当者が要件を紙に書いて、エンジニアに渡す」というドライな関係ではなく、お互いが作ったものを見せ合いながらすり合わせ、何度も何度も激論を交わすような、「濃いコミュニケーション」が必要になります。
時には「ホントに、そんなの欲しいんですか!」とか、「あなたがコレに合意してくれたら、業務が標準化できて、300万は安くできるんですよ!」みたいな、一触即発の議論になります。
でも、本当にいいITを作るためには必要です。ヌルい議論は禁物の、真剣勝負です。
『会社のITはエンジニアに任せるな!』では、一貫してエンジニアと経営幹部、業務担当者の上手なコミュニケーションの仕方について書きました。
そう、会社の武器となるようなITを育てるためには、立場の違う人同士の異文化コミュニケーションこそが、いちばんの鍵となるのです。