そのためにはどうしたらいいか。まずは自分が人に与えている印象を把握しなくてはいけないわけだが、それを自分で判断するのは難しい。しっかりとした批判眼を持った冷静な友人や家族がいればその人に聞くのが一番だ。こちらの態度としては、まず聞く耳を持つことが肝要だ。ただ、その人たちはあまりにあなたという存在に慣れているから、第一印象がもはやわからないということも少なくない。

 久々に出会った友人なども難しい。その人の前では、自分がいつもの自分ではなく、昔の自分になってしまっているからだ。だから、やはり弱い紐帯の人がいい。最近親しくなった人、たまに再会した人に正直なところを聞く、分析してもらうのがいいだろう。いずれにしても、自分で決めつけてはいけない。

 もちろん、私たちのようなプロの目で見るのが最も適しているから、そういう選択肢もあっていいはずだ。

コミュニケーション力の肝は、
自分を印象づける傾聴力の発揮だ

 次に重要なのがコミュニケーション力だ。

 コミュニケーション力というと、多くの人が「話す力」だと考える。もちろん、話す力も重要だ。私たちの項目では、プレゼンテーション力、コミュニケーション充実という言葉で表されている。

 しかし、コミュニケーション力の肝は何かと言えば、むしろ「聴く力」だ。

 私自身の若かりし頃の苦い経験で言うと、インタビューと言いながら、面会時間の半分以上は自分がしゃべっていた。しゃべりたいことはたくさんあるし、自分を大きく見せたいし、立派なコンサルタントだと思われたいからだ。

 ところが、一所懸命しゃべればしゃべるほど、どうも相手にとって自分の印象が薄くなっていると、あるとき気がついた。

「なんだかペラペラしゃべっていたけど、あいつ、一体、何が言いたかったんだ?」という印象だ。

 ある法則がある。最初はこちらに勢いがある。いいことも言う。相手はしっかり聞いてくれる。ところが長くなると、こちらのしゃべっている内容は聞きかじっただけの話なども入り混じってきて、密度が薄くなっていく。相手はどうかというと、だんだん疲れてくるし、イライラしてくる。じれてくるから、粗探しを始める。

 こちらの話の精度曲線はどんどんと下がり、反して相手のイライラ曲線はどんどん上昇していくのだから、どこかでクロスしてしまう。

 その途端に相手が攻勢に出る。虎の尾を踏んでしまうのだ。突然、「その話って、本当ですか?」などと突いてくる。すでにあやふやな話だから、こちらはしどろもどろになってしまう。そうなればもう、先方は何も聞いてくれなくなる。

 そんな失敗を何度もした。ところが、相手の話がたまたまおもしろいからなのだが、たまに、ずっと相槌を打ちながら相手が言うことを聞いてしまうことがあった。

 そういう時に限って、最後に驚くような言葉を聞くことになった。「ああ、今日は本当に勉強になりました」という言葉だ。