今年も東京に降り注ぐ、社畜の雪
※写真は本文と関係ありません
首都圏で大雪が降った。17日夜から18日にかけて雪が降り続き、東京都心では今年初めての積雪となった。雪が楽しかったのは、子どもの頃までのこと。大人になってからは、雪ほど煩わしいものはない。そもそも、なんであんなに雪が好きだったのか。自宅近くの駐車場では、犬がはしゃぎまわっている。犬と子どもの気持ちが筆者にはわからない。
特に会社員は大変だ。雪に対して脆弱な首都圏の鉄道は、予想通りに運休や遅れが相次ぎ、駅への入場制限もかかった。電車や駅はパンク状態となり、ただでさえ極寒に耐えて出社した多くの人の気持ちをイラつかせた。駅から人が押し出される異様な光景。“熱い男”として知られる松岡修造さんが、オーストラリアに行ってしまったせいで雪が降ったのかもしれない。そんなホッコリしたネットニュースに心を癒してもらうしかないような、地獄絵図だった。
そんな中、雪が降ると必ず盛り上がるのが「社畜論争」である。なぜ、そんな思いまでして会社に出社しなければいけないのか。積雪の日にまで出社しようとするなんて、社畜そのものではないか、というわけだ。ツイッターで検索してみても「社畜論争」を繰り広げているユーザーは多く、そんな状況を見るたび、筆者は「ああ、今年も首都・東京に社畜の雪が降ったんだな」と感慨深い気持ちになるのである。
社畜を取り締まる「社畜ポリス」の恐ろしさ
確かに、雪の日の通勤は危ない。ただでさえ足元が滑るのに、駅は気が立った人で大混雑である。雪の日は頭上も危ないらしい。雪の塊が直撃したら、大怪我してしまう恐れがある。マイカー出社なんて、もってのほかだ。最近では、在宅勤務もかなり可能になってきている。せめて、出社時間を遅らせればいいのではないか。筆者もそう思う。そんなに緊急性の高い仕事を抱えている人ばかりなのだろうか、と。
それでも、人々は会社に向かう。駅が混雑しようが、足元が滑ろうが人々は会社に向かう。ツイッターでは、定時にしっかりと出社した人が、遅刻連絡を受ける業務に忙殺されてしまった、なんてエピソードも投稿されている。遅刻連絡を受ける業務のために、遅刻しない会社員。そういった人々を、「社畜」と断ずるのはたやすい。