渋滞をなくすには

 北京の道路交通がめちゃくちゃなのを見ると、自分が交通運輸部の部長になって、その問題点を解決したくなるほどだ。

お気に入りのパンダのぬいぐるみ「レイジー」とともに自転車で街をゆくジャッキー

 渋滞を見ると、車から降りて、交通警察をやりたいと本気で思う。北京の渋滞は誰もが先に行こうとするから起きるので、譲り合う精神が少しでもあれば解消される。交通事故も、誰もが他の人に譲らないから、互いを小突いているうちに、ぶつかってしまう。するとこれが何キロもの渋滞を作ってしまう。車道が3本しかないのに、4本か5本あるかのように押し合って、さらにこの中に割り込もうとするから、渋滞になるわけだ。みんながルールを守って、少しでも譲り合えば、いまのようには渋滞しないはずだ。

 いま、北京に車がどんどん増えてくるのを見ると、シンガポールを思い出す。この国はこぢんまりしていて、公共交通機関も発達しているが、乗用車に対する管理方法も優れている。

 まず、車の値段設定が二段階になっている。ロールス・ロイスを1台買うとして、300万を出すだけでは、晩の7時から次の日の朝7時までしか運転できない。600万でやっと1日中乗れる。シンガポールでは金持ちの子どもたちが、こういう“ゾンビ車”を持っている。ランボルギーニとかも半額で、1000万の車を500万で買えるけど、夜中にしか走らせられないから、“ゾンビ車”だ。

 それから、シンガポールでは、車1台で高速道路を通るのに100ドルかかるが、車の中に4人乗っていて、座席が埋まっていればただになる。だから、シンガポールでは、互いの車に便乗し合ったりすることが多い。近所同士で仕事に行くときは、今日はそっちの車で、明日はあっちの車で、車を持っていない人はガソリン代を少し出す。これは素晴らしいアイデアだと思う。