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ヒントはここにあった!先端ITで日本企業の未来を変える

IoTは消費体験を変え
仕事の生産性を向上させる

安間 裕 [アバナード株式会社 代表取締役]
【第18回】 2016年1月25日
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 ここでもう1つ重要なのは、これらのバックで動作している機器が、非常に安価になってきているということです。大型スクリーンは10万円を切っているものもありますし、動作認識機器は3万円を切っています。

 せっかくこういった仕組みによって「インタラクティブな関係性」を構築し、マーケティングに活用できたとしても、人件費の抑制よりも大きなコストがかかったのでは、意味が半減します。

 安価に実現可能で、かつ、コストに余りある付加価値を持つことで初めて、このビジネスモデルは成立します。

サービスマンの訪問効率を
予測技術で高める

 次は、「Predictive Maintenance(予測型メンテナンス)」の事例です。

 あるヨーロッパのエレベータ会社で、エレベータにセンサーを取り付け、機器の定期点検の過去データを解析し、「どんな場所でどんな風に利用されているエレベータは、どのぐらいの頻度で定期点検をするべきか、または、どんな部品を携帯して点検に行くべきか」などを、機械学習機能を活用して予測し、点検の生産性を向上させたという事例です。

 これも、前述の「顧客とのインタラクティブな関係性」の議論と少し似ていて、「点検の頻度」と安全性は、おそらく比例の関係にはあるものの、人件費などの「コスト」とは反比例します。

 東京では、点検業務の生産性の目標として、1日6ヵ所から8ヵ所ぐらいの点検を実施する必要があるそうです。

 そのため、点検時は渋滞などを避けるため、比較的大きな収納ボックスの付いたバイクを使用する会社も多いようです。

 バイクを使うと移動時間が短縮できますが、車の場合よりも持っていける部品に限りがあります。そのため、携帯している部品以外に交換の必要が生じると、自社に戻るなりのアクションが必要となり、生産性の目標達成が難しくなります。

 したがって、「点検の頻度」と同様に「点検時に持っていく部品」の的中度が重要になります。

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安間 裕
[アバナード株式会社 代表取締役]

団体系保険会社、外資系商社を経て、1998年にアクセンチュアに入社。その後外資系広告代理店を経て2001年に再度アクセンチュアに入社、アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズの設立に携わり2002年8月に同社代表取締役社長に就任。2009年アクセンチュア執行役員アウトソーシング本部長、2010年執行役員ビジネスプロセス・アウトソーシング統括本部長を歴任。副社長としてフューチャーアーキテクトの経営に携わった後、2014年4月にアバナードに入社。1982年明治大学文学部文学科フランス文学専攻卒。1959年生まれ。

ヒントはここにあった!先端ITで日本企業の未来を変える

IT業界のフロントランナーである筆者が、日本企業の経営やビジネスの最前線で働く人々に向けておくる連載第2弾。昨今のITで起きていることを、いわゆる「Buzz Word(はやり言葉)」としてではなくビジネスの言葉で解説。客観的データを基にした冷静な分析で、今日から仕事への意識を変えられるヒントを提供する。

「ヒントはここにあった!先端ITで日本企業の未来を変える」

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