たとえば、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」といった従業員のしつけにはこだわって、あとは現地流にさせたのだとか。そのように、スタンダード化するところとローカリゼーションするところをうまく使い分けたので、あそこまで伸びたのでしょう。

 また、キットカットの抹茶味は、ネスレ日本がつくりましたが、今では日本のみならず、アジア中で人気です。そういうものを見ていると、まだまだ様々な可能性があるのではないかと思えます。

 そういう「三次需要」というのは、日本の良さを海外で生かしていくということで、そうしたことを考えるきっかけをくれているのが爆買いではないかと思います。そう考えると、爆買いというのは相当面白い。

 日本に駐在した外国人が、本国へ持って帰りたいもののアンケートをテレビで見たことがありますが、一番が「ウォシュレット」でした。お尻を清潔にすると気持ちがいい、快適だ、病気になりにくいという、日本人が思っている清潔感や衛生観念をどうビジネスにするか。単に「便器から水が出る機械を売る」のではなく、日本の文化として持っていくということを考えると、広がりがあるでしょう。

日本で買えば100%本物だから安心
「確実な製品」を中国で売ることの強み

 ではもう1つ、もっと大きな需要、あるいは消えてしまいそうな需要についてお話しします。

 なぜ、中国人が日本製品を買っていくのかというと、日本製品とかメイド・イン・ジャパンと書いてあるものは中国でも売っていますが、それが本物かどうかの保証がないためです。日本に来れば100%本物だから買いに来るということです。では、中国で間違いなく本物の日本製品を売ったらどうなるか、と考えるのが三次需要です。

 日本に来ている中国人は年間500万人にも上りますが、海外に行く人全体では1億人います。といっても半分は香港かマカオですが、それにしても大変な数で日本に来る人の20倍にもなります。ましてや中国人の所得が上がり、今日本に来る人の100倍くらいの人が「日本製品を買いたい」という潜在需要があったとするなら、今の中国には100倍のマーケットがあることになる。だったら、「確実な日本製品」で、日本流の売り方、日本流の付帯サービスで中国で販売したら、爆買いの比ではない巨大マーケットが中国に生まれると考えるのが、次の発想ではないでしょうか。