「僕の帰りが早いと『何で早く帰ってくるの』と妻に言われ、逆に僕の帰りが遅くなれば、『こんな時間まで何やってるの?』と言われ……完全に支離滅裂なのですが、僕が少しでも言い返そうものなら何時間でも説教を食らってしまうのです。挙句の果てには『死ね!ボケ!もう最低だわ!!』などと暴言を吐いてくるので、途中から何も言い出せなくなり、ただただ我慢するしかありませんでした。いったい僕に何の恨みがあるのでしょうか?」

 そんなふうに妻の意味不明な言動は日増しにエスカレートしていったのですが、「ありふれた普通の結婚生活」を想像していた優さんにとって完全に寝耳に水でした。なぜなら、妻が妊娠を境に豹変するなんて全くといっていいほど予想していなかったからです。

「僕には何の落ち度もないはずなのに、どうして妻はおかしくなってしまったのか」

 優さんには心あたりがなかったので、いつまでも釈然とせず、モヤモヤした日々が続いたそうです。そうこうしているうちに、優さんは1つの答えにたどり着いたようで……。

「もしかすると住んでいる場所が悪いのではないか」

 妻が妊娠した後、妻が優さんのアパートに転がり込むという形で同棲が始まったようです。とはいえ優さんの家は築25年のおんぼろで、1DKという間取りは1人暮らし用。もちろん、妻の部屋はなく、お世辞にも「快適な暮らし」とは言えませんでした。優さんは妻が遠まわしに不満を言っているのではないか。そう考えたのです。

「とにかく元の妻に戻ってくれればと思って……」

 優さんは妻のために分譲マンションの購入に踏み切ったそうです。さすがの優さんも4000万円、35年の住宅ローンを目の前にして、少し気後れしたそうですが、最終的には契約したのです。なぜでしょうか?

「これから結婚して、家族が増え、そして何より子どもを育てていくのだから」

妻の精神状態はますます悪化
出産より早めに里帰りさせたが……

 優さんは当時の気持ちを回顧してくれましたが、優さんの健気な心配りは妻に通じたのでしょうか?いや、優さんの気持ちとは裏腹に、妻のヒステリー癖には改善の兆候は見られなかったのです。残念ながら、新しいマンションに引っ越しても、妻が「元の妻」に戻ることはなかったそうです。