写真提供:島田裕巳氏
2025年、創価学会を支持母体とする公明党が連立政権から離脱し、政界のみならず宗教界にも激震が走った。他にも、旧統一教会の解散命令を巡る審理が大詰めを迎えるなど、26年は宗教界にとって波乱の年になりそうだ。特集『総予測2026』の本稿では、『完全版 創価学会』(新潮社)など宗教関連の著書を多数執筆している宗教学者の島田裕巳氏に、26年の宗教界の展望を語ってもらった。(聞き手/ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
創価学会衰退で公明党の得票数は減少
池田大作氏の後継者は見つからず
――創価学会を支持母体とする公明党が連立政権から離脱しました。
高市早苗氏が首相にならなくても、公明党はいずれ連立から離脱していたでしょう。高市氏はきっかけをつくったにすぎません。
予兆はありました。2022年の参議院議員選挙が特に顕著で、公明党の自由民主党候補への推薦を巡って両党がぎくしゃくしました。公明党が掲げる「大衆福祉」を思うように実現できないため、与党にいる意義は薄れていました。
学会2世・3世の活動意欲が低いこともあり、公明党の得票数は低下し続けています。故池田大作氏の後継となるカリスマ指導者の不在も衰退の一因です。
公明党は「平和の党」を標榜していますが、戦争を知る世代が減少し、学会2世・3世には党是が響きにくい。集票力の低下は、野党になってからも続くでしょう。
それでも、これまで公明党の支援を受けていた自民党候補へのダメージは避けられません。公明党の支援がなくなったことで、落選する自民党議員が数十人単位で出ても不思議ではありません。
――保守派の高市氏が首相に就任しました。神社界に影響は。
次ページでは、宗教学者の島田氏が、高市政権誕生が神社界に与える影響を語る。さらに島田氏は、旧統一教会の解散が「すんなり進むとは思わない」と言い切る。いったいなぜだろうか。これらの団体のみならず、近年新宗教の衰退が続く中、「スピリチュアルなものにすがりたい人」の行きつく先に言及している点にも注目だ。







