「リーダー観察」が
私のライフワークになるまで
業界初の事業に挑戦し、走り続けた4年間で得たものは、計り知れません。
「どんなちっぽけな人間でも、社会を変える存在になれる」―起業を通じて手にしたその実感を、もっと世の中に伝えたいとの思いから、「シンクタンク・ソフィアバンク」の設立に参画しました。創業メンバーとして新たな歩みをはじめると同時に、雑誌やテレビの企画を通じて、起業家へのインタビューもはじめました。
そして訪れた1つの転機が、NHK教育テレビ「21世紀ビジネス塾」キャスターへの就任です。全国各地の元気な中小企業を紹介するこの番組では、スタジオでの司会だけではなく、毎週、現場に出向いてさまざまなリーダーを取材する機会もいただきました。
この経験を通じて、私は「小さな企業の現場にこそ日本の未来がある」と確信するようになりました。決して恵まれているとは言えない環境の下、従業員や取引先、地域への責任を全うすることに人生をかけているリーダーたちの言葉に勇気と希望をいただき、「これこそ全国の方々に伝えるべきことだ」と心底思うようになったのです。
NHKのキャスターを終えた私は、さらに「藤沢久美の社長Talk」というネットラジオ番組を立ち上げ、新興市場に上場している企業のリーダー、ユニークなビジネスを立ち上げたリーダーたちをゲストに招き、対話する機会を持つようにしました。
毎週のように異なる分野のリーダーたちと対話する体験は、大いに刺激になります。ビジネスも人生も、それぞれに個性的で、さまざまな仕事と生き方があることを学んできました。
そして、さらに私の視野を広げてくれたのが、「ダボス会議」を主宰する世界経済フォーラムからヤング・グローバル・リーダーに選出されたことでした。
それ以来、ビジネス・NGO・アカデミア・政治・文化・スポーツなど、世界の各分野のリーダーたちと交流する機会にも恵まれています。
日本の片隅の小さな企業のリーダーから、世界を動かすグローバル企業のリーダーまで、ありとあらゆるリーダーたちと対話するうちに、気がつくと、「リーダー観察」が私のライフワークになっていました。