お見合いの席では自分を偽らないほうがいいというが…

 ゲスな男がいるからこそモテる男が際立つのかもしれない――。タレント・ベッキーの不倫騒動のお相手が人気バンド「ゲスの極み乙女。」のボーカル、川谷絵音であったことから、今年になって“ゲス”という、普段、あまり使われていない言葉を見聞きするようになった。

 そこで今回、目下、婚活中というアラフォー女性たちに、「私がお見合いで出会ったゲスな男たち」というお題で話を聞いてみた。

「お見合い写真では俳優の浅野忠信さんをちょっとふっくらさせたかな……って感じだったんです。でもお見合いの席で待っていたのは、吉本新喜劇の烏川耕一さんがもっと太ってはげて老けたかなという方でした。唯一、写真通りだったのは目元と耳の形だけでしたね」

 語気荒く憤りをあらわにするのは東京都内の公立小学校教諭をしているエリさん(40)だ。教職で多忙な生活から生涯の伴侶を見つける機会に恵まれなかったことから、大枚・30万円を支払って結婚相談所に入会し、紹介されたのが“彼”だった。

「話してみると同じ教員同士ということで。まあ、悪い人ではなかったのですが。でも、ここまであからさまな写真の修整をする人はちょっと生涯の伴侶としてはムリと判断してお断りしました」(エリさん)

 お見合いの席では自分を偽らないほうがいいという。事実、恋愛・結婚事情に詳しいフリーライターの志村ひな子さんも、「お見合いの席では“素の自分”で勝負すべきだ」だと語る。

 とはいえ、“素の自分”も程度問題ではないか。東京都内在住のマナー講師、サチコさん(38)は、婚活パーティーで知り合い気の合った地方公務員男性(46)から自宅に招かれた.。

 その自宅マンションには、リビング、書斎、寝室、トイレ、ところどころにピンクのうさぎのぬいぐるみが所狭しと置かれている。寝室の枕には茶色く変色したピンクのうさぎのそれが枕元に置かれている。サチコさんが見ていると彼が口を開いた。

「これはね、僕の子どもの頃からお友達、ピッピちゃんだよ。うちの母が縫ってくれたんだ。大学受験も公務員試験もピッピと一緒に頑張ったんだよ」

 そして彼はピッピちゃんを抱き上げ、サチコさんに、「ピッピ、もしかしたらママになるかもしれないサチコさんだよ。ご挨拶は?」と宣う。その時の気持ちをサチコさんはこう話す。

「優しそうな彼に惹かれていました。でもピッピちゃんでドン引きしました……」

 結局、この日の自宅デートを境にサチコさんは彼との交際に終止符を打ったという。

 もっともお見合いを含め、男女の縁の多くは男性側が女性側が不快に思う何かをしでかしたから……というケースがほとんどかもしれない。前出のサチコさんの次のお見合い相手がそうだ。