1000人以上の経営者へのインタビューを15年近く続けてきた藤沢久美氏が著した『最高のリーダーは何もしない』。

前回まで、今という時代に求められるリーダー像と、その背景について考察した。今回は危機に直面したリーダーの実例から分かった、リーダーが「変えること」「変えてはならないこと」を語る。その真意とは?

▼連載 第1回▼
「頼れるボス猿」から「内向的な小心者」へ…
優秀なリーダーの条件が変わった!

▼連載 第2回▼
「指示しない職場」で業績が伸びている

▼連載 第3回▼
「動き回るリーダー」ほど仕事がおそい!?

▼連載 第4回▼
優秀なリーダー2つの条件
——「戦略性」と「きれいごと」

危機に直面したリーダーが
大胆に「変えたこと」

松阪牛や黒毛和牛で有名な株式会社柿安本店(本社 三重県桑名市)をご存知でしょうか。1871(明治4)年創業という老舗企業です。精肉の販売を基幹事業の1つとしてきた同社は、この20年間のうちに2度の危機に見舞われました。

1度目は、BSE(牛海綿状脳症)、いわゆる狂牛病が問題になったとき。牛肉がパタリと売れなくなりました。
同業者みんなが「大変だ!」と焦るなか、同社は「ピンチをチャンスに」の発想で、牛肉ではなくサラダを中核にした新たなビジネスモデルをつくり、積極的に出店することで黒字にしました。

当時、創業の地の精肉店本店で、実験的に販売していたサラダがお客様に好評だったため、それを一気にメインに据えるという大胆な決断をしたのです。