1000人以上の経営者へのインタビューを15年近く続けてきた藤沢久美氏の最新刊『最高のリーダーは何もしない』。
前回、チームのなかで誰よりも「考えている」のがリーダーだと述べた。もうひとつ、リーダーに必要な資質が「心配性」である。なぜ、優れたリーダーは心配性なのか?
▼連載 第5回▼
悩めるリーダーは「同族企業」を見よ
▼連載 第6回▼
世界の企業トップが「日本型リーダー」に注目している
▼連載 第7回▼
「リーダーの魅力」はどこから生まれる?
▼連載 第8回▼
なぜあのリーダーの決断は「自信に満ちている」のか?
▼連載 第9回▼
優秀なリーダーほど「まぐれ」を味方にする
誰よりも「高解像度」でチームを見ている
靴下を製造・販売する株式会社タビオ(本社 大阪市)の創業者である越智直正会長は、「気を抜くと靴下のことを考えてしまう」という名言を口にされるほどの、つねに考え続けるリーダーです。
越智会長に限らず、成功しているリーダーは、常日頃から考え続け、考え抜いています。
しかも、大きなビジョンや戦略だけではなく、どこで、誰が、どのようにやるか、誰の責任で進めていくのか、メンバーは足りているか、足りないならどう手当てするのか、ほかのチームに支障がないか、どれくらい利益が出るのか―そういった細部までを徹底的に考え抜いているのです。
リーダーがそんなに細かいところまで考える必要があるのかという疑問も湧いてくるところですが、じつはこうした細部が気になってしまうのが、優秀なリーダーの共通点でもあるのです。
リーダーとして高いポジションへ上がるほどに、多くのことが気になってくるというのが現実です。経験が増えるからでもありますが、やはり仕事全体を高い解像度で見通せる人がリーダーになっているということだと思います。