「極限の繊細さ」を持つリーダーの「最強の大胆さ」

少々逆説的な言い方ですが、心配性な人が「ただの心配性」にとどまっているのは、まだまだ心配が足りないからです。

「もうこれ以上は心配できない」というところまで、徹底的にあらゆる可能性を考え尽くすと、そこには自信しか残りません

優秀なリーダーたちが自信に満ちているように見えるのは、徹底的に心配し、考え抜き、手を打った結果、「やるべきことはやり尽くした」という実感を持っているからではないかと思うのです。

あらゆる角度で考えて、膨大な数の仮説を立てる。誰よりも緻密にネガティブチェックをしているからこそ、自信を持って前に進める。その様子が、考え尽くしていない人間からすると、大胆に「見える」のでしょう。

一方で、「自分は心配性ではない」というリーダーは、まだまだチームや組織に対する責任感が不十分なのかもしれません。全体を見渡す際の解像度が低いままで、気づいてしかるべきリスクに目が行っていない可能性もあります。

心配性の人は、優れたリーダーになる素質があります。ですから、単なる心配性の人で終わらないために、さらに具体的に、細かく細かく心配し尽くせるようになっていただきたいと思います。

(第11回へつづく・2月19日公開予定)