1000人以上の経営者へのインタビューを15年近く続けてきた藤沢久美氏の最新刊『最高のリーダーは何もしない』。
前回までビジョンの重要性について述べてきたが、そもそもビジョンを生み出すには何が必要なのか?
メンバーが自ら動きたくなるようなビジョンを生み出すリーダーの特徴とは?
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ビジョンは「あとからつくる」もの
いかにしてビジョンを生み出すかを考えるうえで、まずは、最もビジョンを必要とする企業リーダーたちの例を紹介しましょう。
「企業のリーダー」とひと口に言っても、そうなるまでのプロセスはさまざまです。
(1) 実現したいことがあって起業した
(2) サラリーマンとして働いて、経営者に抜擢された
(3) 親が経営者であり、後継者として社長になった
起業家ならば、当然ながら起業の目的があり、それ自体がビジョンということになりますが、経営者のすべてが起業家というわけではありません。
(2)のように、組織で働いているうちに会社のリーダーに抜擢されたというケースも多いでしょうし、(3)のように、実家や親戚が経営する会社を継ぐことになったという社長も少なくありません。
ですから、ほとんどの経営者は、最初からビジョンがあって企業リーダーになったわけではないのです。むしろ、経営者という役割を担い、組織を率いる責任を負うなかで、ビジョンの重要性に気づいていくというほうが正しいかもしれません。
そういう意味では、「ビジョン型リーダーシップの時代がやってきた」などと言っても、それぞれの人がビジョンを“つくる”ところから、まずはスタートしなくてはならないのです。
では、組織・チームが向かうべき方向を指し示すビジョンは、どうやって生み出せばいいのでしょうか?
「社長トーク」でインタビューした経営者たちのお話から、それぞれの持つビジョンを見ていきましょう。