リーダーは細かいことが気になる
とはいえ、経験が少ない人、大雑把な性格の人はいいリーダーになれないのかというと、そんなことはありません。経験が少なければ、チームのメンバーたちとシミュレーションを徹底的に行ったり、経験がある人に入ってもらってアドバイスを得たりすればいいのです。細かいことに気を配るのが苦手なリーダーは、緻密な配慮ができる人にサブリーダーを務めてもらうのも1つの方法でしょう。
計画どおりに進むプロジェクトなどまずありませんから、大切なのは、全体を包括する視点を持つと同時に、個別の部分についてもある程度の仮説・想定を持ち、現場で起こり得るリスクに備えておけるかどうかです。
そして、高い解像度でプロジェクト全体を見通すためには、メンバーの力が不可欠です。だからこそ、ビジョンが重要なのです。
プロジェクトの目的を共有し、その成功のためにワクワクし、力を最大限発揮したいと思ってくれるメンバーが集まれば、プロジェクトの全体像が自ずと高解像度で見えてきます。
「社長トーク」にお招きした社長さんや、お目にかかる機会があった起業家・経営者の方とお話ししていると、「この人、ちょっと心配性すぎるのでは……?」と思ってしまうことがあります。
ビジョン型リーダーなどと言うと、「全体をさっと見渡して、ざっくりとしたことを言うだけの人」というイメージを抱かれるかもしれません。しかし、どちらかと言えば、「細かいことが気になって仕方がない心配性の人」のほうが多いのが実情です。