1日1時間、社員をほめていますか?

 株式会社プリマベーラ(古書、DVDなどの販売/群馬県)の吉川充秀社長は、「かばん持ち」をしているとき、「私が1日の中で、何に、どれくらいの時間を費やしているのか」をアクションごとに計測し、「社員をほめる時間」がとても長いことに気づいたそうです。

「『かばん持ち』をした5日間、小山さんが『何に何分使ったか』を記録しました。そして、ピボットテーブル(エクセルのデータ集計・分析機能)を作成したところ、『1日当たり1時間以上、社員をほめるために時間を使っていた』ことがわかったんです。サンクスカードを書いたり、ほめるネタを見つけてはメモしたり、送別会に参加したり……、小山さんは、社員へ感謝を伝えるために使う時間がとても長い。そのことに大きな衝撃を受けました」(吉川社長)

 人材教育の基本は「ほめて伸ばす」ことです。
 私は、何かと言えば社員をほめています。
「成果を出した」と聞けばほめ、「禁煙に成功した」と聞けばほめ、見苦しい茶髪を黒髪に戻したのを見れば、ほめます。ほめられたら、人はうれしい。だからいっそう、仕事にまい進する気持ちになれるのです。

<著者プロフィール>
小山 昇
(Noboru Koyama)
株式会社武蔵野代表取締役社長。1948年山梨県生まれ。東京経済大学を卒業し、日本サービスマーチャンダイザー株式会社(現在の株式会社武蔵野)に入社。一時期、独立して株式会社ベリーを経営していたが、1987年に株式会社武蔵野に復帰。1989年より社長に就任して現在に至る。「大卒は2人だけ、それなりの人材しか集まらなかった落ちこぼれ集団」を毎年増収増益の優良企業に育てる。2001年から同社の経営のしくみを紹介する「経営サポート事業」を展開。現在、600社以上の会員企業を指導しているほか、「実践経営塾」「実践幹部塾」「経営計画書セミナー」など、全国各地で年間240回以上の講演・セミナーを開催。1999年「電子メッセージング協議会会長賞」、2001年度「経済産業大臣賞」、2004年度、経済産業省が推進する「IT経営百選最優秀賞」をそれぞれ受賞。日本で初めて「日本経営品質賞」を2回受賞(2000年度、2010年度)。
2004年からスタートした、3日で108万円の現場研修(=1日36万円の「かばん持ち」)が年々話題となり、現在、70人・1年待ちの人気プログラムとなっている。
『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』『朝30分の掃除から儲かる会社に変わる』『強い会社の教科書』(以上、ダイヤモンド社)、『99%の社長が知らない銀行とお金の話』『無担保で16億円借りる小山昇の“実践”銀行交渉術』(以上、あさ出版)、『【増補改訂版】仕事ができる人の心得』(CCCメディアハウス)などベスト&ロングセラー多数。
【ホームページ】
http://www.m-keiei.jp/