JR四ツ谷駅前に集まるカトリック関連施設。左から雙葉学園、修道院、上智大学
2025年には46人の新校長が誕生した首都圏私立中高一貫校。26年は30人まで減ったが、27年入試の行方を示唆するような人事にも注目したい。まずは東京23区内にある13校について見ていこう。(ダイヤモンド社教育情報、森上教育研究所)
カトリック校が直面する課題
新年度が始まって3カ月。今年も首都圏私立中高一貫校の新校長をご紹介する。今回は東京23区にある学校を取り上げ、次回は東京多摩、神奈川、埼玉、千葉の各校を見ていく。
その前に、5月末に表面化して、各方面に波紋を呼んでいるカトリック校に関わる話題を取り上げたい。開智所沢中等教育学校の開校で埼玉の受験地図を塗り替えた学校法人開智学園が、茨城(開智望)、東京(開智日本橋学園)に続いて、神奈川にも系列校を設けることになったからだ。
小中高を擁するカトリック校の聖ヨゼフ学園(横浜市鶴見区)が、2027年4月から「開智横浜国際」に校名を変更する予定となった。これに合わせて、設置者もアトンメント会から開智学園に変更される。聖ヨゼフ学園は、男子修道会アトンメントのフランシスコ会が、白百合学園の経営母体である女子修道会シャルトル聖パウロ修道女会の協力を得て始まった。幼稚園から大学まで約20万人が在籍しているとされる全国のカトリック校は、少子化の進行と相まって、教育活動を支えてきた修道会の力が衰えたことにより、その経営体制を再考せざる得ない状況にある。次回触れるが、宗教科の教員不足もミッションスクールにとっては深刻な課題の一つである。
聖ヨゼフ学園は10年前から、カトリックの全人教育と考え方が非常に似ているという国際バカロレア(IB)を取り入れ、共学化することでこうした状況に対応してきた。今回の開智学園系列化はIBが取り持つ縁という側面が強い。とりわけ、比較的距離の近い開智日本橋学園(東京・中央区)との協力関係が今後注目される。
ここから本題に移ろう。東京女子御三家の一つでカトリック女子校の雙葉中学校・高等学校(千代田区)の校長交代は唐突な印象を与えたのか、一部で話題となった。学校法人雙葉学園理事長で、イエズス会神父の萱場基氏が校長も兼任することになった。萱場氏は、16年にイエズス会を母体とする5つの学校法人が合併して学校法人上智学院となった際、学校法人栄光学園(神奈川・鎌倉市)の理事長として立ち合い、上智学院では監事を務めている。
設立母体である幼きイエス会(旧サン・モール修道会)の修道院が隣接し、創立から7代続けてシスター(修道女)だった雙葉中高の校長は、お茶の水女子大学理学部卒の数学科教員で12年就任の和田紀代子氏(その後、雙葉学園理事長)、上智大学外国語学部卒の英語科教員で20年就任の日下部和子校長と、OGが二代続いたことで、新しい方向に進むものと思われていたことも唐突な印象を与えた背景にありそうだ。
カトリック校、特に女子校を取り巻く環境は厳しい。札幌聖心女子学院中学校・高等学校(札幌市中央区)は25年に、函南白百合学園(神奈川・箱根町)の小学校は26年にそれぞれ閉校した。募集を停止した京都ノートルダム女子大学(京都市左京区)は、系列のノートルダム女学院中学校高等学校とノートルダム学院小学校を、男子校の洛星中学・高等学校を運営する学校法人ヴィアトール学園(京都市北区)に26年4月事業譲渡している。また、盛岡白百合学園中学高等学校(岩手・盛岡市)は26年から共学化した。







