『風、薫る』第63回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第63回(2026年6月24日放送)「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)
尼さんと芋男
『風、薫る』の特徴のひとつに、恋愛のように見えて、なかなか発展しない傾向がある。それっぽい要素をチラつかせるだけで、核心的なところを引き伸ばしていく。
りん(見上愛)を健気に思いを寄せているのはシマケン(佐野晶哉)で、そこに虎太郎(小林虎之介)も再び参戦してきた。一方、直美(上坂樹里)は軍人・小川吾郎(甲斐翔真)と出会う。出会いは最悪。はたして今後どうなるか。
病院の重症病室に第62回で初登場した小川がやって来た。
薩摩弁で入院患者と話している。小川は幼馴染の見舞いにぼた餅を持ってきたが、担当の直美は食べることを許さない。
これを食べたら治療が後戻りになると患者に厳しく注意する。それを聞いていた小川は「女ならもっとやさしく、言い方ってものが(あるだろう)」と咎める。
「これでも控えめです」「やさしい暴力になります」と直美は反論する。
「患者さんを思うのに男も女もありません」
小川のなかに男女不平等な考え方があることを指摘する直美に、
「えらそうな尼さんじゃい」と小川は不服そう。
彼が「尼さん」と思い込んだのは、キリスト教の修道女の雰囲気を制服に感じたのだろう。修道女は慈悲深く、やさしいイメージがなんとなくあるかも。
まだまだ看護婦という職業は世間に認知されていない。
ただ、直美も「これでも控えめ」と言いつつ、小川にぼた餅を突き返す態度はあまりいい感じではない。事務的に振る舞うところがフユやヨシみたいに似てきている。
間にはさまっている患者さんがかわいそうだ。余計なお世話だが、病人にはストレスを与えないほうがいいのではないだろうか。







