実力者が揃うG1レースを女性が制した例としては、1999年の四国地区選手権(鳴戸)での山川美由紀、2013年の近松賞(尼崎)での平山智加がそうだ。オートレースは女性選手の参加が認められたのが2011年で、まだ数が少なく、女性選手は常に男性とレースを戦っている。その中で2013年、佐藤摩弥が女性としては初めて優勝した。

 ただし、条件が対等では女性が勝つのは難しいようで、それなりのハンデが設けられている。競艇は体重が軽い方が有利なため、体重の下限が男子は50キロ、女子は47キロとなっている。女性選手は3キロのハンデをもらっているわけだ。オートレースも女性選手にはスタート位置を前にするハンデが与えられることが多い。

 日本の競馬の場合、地方競馬には女性騎手に対して負担重量を軽くするハンデはあるが、JRAにその規定はない。デビュー直後の新人騎手に与えられる負担重量3キロのハンデ(30勝以下)があるだけで、男女とも同条件。その分、厳しいともいえる。

海外には男性を凌ぐ
成績を残した女性ジョッキーも

 ただ、海外には同条件にもかかわらず、男性騎手を凌駕する成績を残した女性騎手もいる。アメリカのジュリー・クローンだ。1981年から2004年まで騎手を続け、通算3704勝。アメリカのクラシック3冠レースのひとつ、ベルモントステークスをはじめ重賞を132勝もしている。また、英国のヘイリー・ターナーは2008年に年間100勝を達成した。

 日本の競馬に短期免許で参戦した海外の女性騎手にも堂々たる成績を残した者がいる。2002年の中山大障害を制したのはニュージーランドのロシェル・ロケット。これはJRA初の女性騎手重賞優勝だ。昨年、JRAで3ヵ月間来日したリサ・オールプレス(ニュージーランド)は135回の騎乗で6勝をあげた。

 競馬は競走能力の高い馬に恵まれれば、乗ってつかまっているだけで勝てることがあるともいわれる。だが、気性の荒い馬の場合、制御するには腕力をはじめ相当なパワーが要求されるそうだ。クローンやオールプレスのような男勝りの女性ならともかく藤田はそれができるだろうか。

 今の菜七子フィーバーが続けば競馬人気を盛り上げるため、調教師たちも藤田に勝利が有望な馬の騎乗依頼をするだろう。そこで期待通りの結果を残せるかが、今後を左右することになる。ともあれ藤田が初勝利をあげたら、大きなニュースになることは確実。それはいつなのか。しばらくは多くの人が中央競馬に熱い視線を注ぐはずである。