名古屋に出る?出ない?
陸連と福士陣営の鞘当ては続く
リオ五輪のマラソン代表選考が、男女とも迷走状態にある。
Photo:日刊スポーツ/アフロ
男子は28日の東京マラソンに出場した有力選手がいずれも脱落。日本人1位は8位に入った一般参加の高宮祐樹(ヤクルト)で、タイムも2時間10分57秒という平凡なものだった。
日本陸連の方針では入賞(8位以内)すれば、いち早く内定が出る昨夏の世界陸上で日本勢は惨敗。昨年12月の福岡国際を2時間8分56秒で3位に入った佐々木悟(旭化成)が一応、候補となっているが、陸連が設定した基準タイム2時間6分30秒には及ばない。今度の日曜(3月6日)に行われる最後の選考レース、びわ湖毎日マラソンに出場する選手たちが奮起して好タイムを出す選手が続出すれば、この中から代表3人が決まる可能性もある。新星の出現を期待したいところだが…。
ともあれ、選びたくても、その基準をクリアする選手が現れない厳しい状況にあるのだ。
その一方で女子は基準タイムを堂々とクリアした選手に代表内定が出ず、最後の選考レース、名古屋ウィメンズに「出る」、「出るな」で揉めるというヘンテコな事態が起こっている。ご存じのとおり福士加代子(ワコール)をめぐる問題だ。
当コラムでもすでに書いたが、福士は1月の大阪国際女子マラソンを陸連が設定した基準タイム2時間22分30秒以内をクリアする2時間22分17秒という好タイム(日本歴代7位)で走って優勝した。にもかかわらず代表内定が得られず、代表切符を確定させるために福士加代子陣営が名古屋ウィメンズマラソンにエントリーした。
大阪国際から名古屋までの間隔は6週間。この短い期間にフルマラソンを2度走るのは、肉体的にも精神的にも消耗度は激しく、故障の心配だってある。この無謀ともいえる福士陣営の決断に大方のファンは同情的。そんな事態を招いた陸連の判断はひどいというわけだ。