本当のリーダーは孤独ではない

とはいえ、これもまた「言うは易し、行うは難し」です。
「期待したほどの実力を発揮してくれなかった……」「切羽詰まった状況なのに、のんびり仕事している……」などと、ついメンバーの「足りない部分」に目が行ってしまい、恨み節が口をついてしまいます。

しかし、組織やチームのメンバーは、簡単に取り替えられるものではありません。また、チームだからこそ実現できる仕事というのは数え切れないほどありますし、それぞれの人生があるなか、共に歩む仲間となったのは何かの巡り合わせです。
何度も何度もそう自分に言い聞かせながら、少しずつ、メンバー1人ひとりに感謝できるように自らを磨くこともまた、リーダーに必要な修練です。
こうしてリーダー自身が人間として成長していったときに、そのビジョンに本当に共感してくれる仲間が集まり、大きなことを成し遂げられるのでしょう。
「レストランひらまつ」をはじめとした多数のレストランを展開する株式会社ひらまつ(本社 東京都)の平松博利社長がおっしゃった印象的な言葉があります。
ある日、平松さんのところにコンサルタント会社の人がやってきて、「社長は孤独ですよね。我々が助言しますよ」と言ったそうです。平松さんはそれに対して、こう答えました。

「僕は孤独じゃない。だって『この指とまれ』と言って一緒にやっている仲間が600人もいるんだよ。僕が孤独なわけがないでしょう?」

人間として成長したリーダーは、決して孤独ではないのです。

(第20回へつづく・3月11日公開予定)