民主党で国際問題を解決する力がないと酷評されたカーター大統領とよく似た状況にあるのが現職のオバマ大統領であり、その対立候補として国民の人気が高いドナルド・トランプのようなタカ派のタレント候補が台頭してきているという点では、当時と状況はよく似ている。

 共和党では他に敵となる候補が出てきそうにもない現状で言えば、大統領選挙本選はトランプ候補対民主党の代表候補という図式になる。政治の専門家はそこで「よりまともな民主党候補が大統領に選ばれる」と考えるのだが、私はそうはならないと見ている。今年の11月に選ばれるのは、より多くの国民が支持する大統領候補だろう。だから私はトランプ大統領が誕生する可能性が高いとみているのだ。

支持率上昇の原動力になった
3つの経済政策

 さて大統領になったドナルド・トランプが何をしようとしているのか?この点は意外と日本では報道されておらず、ある意味知られていない。暴言が目立つトランプ氏だが、経済政策の面では考えがはっきりしている。それはアメリカ経済を復活させるという目標である。

 そのためのトランプ氏の着眼点は3つある。1つはアメリカの雇用が中国とメキシコに搾取されているという視点。だから両国に高関税をかけてアメリカの雇用を守ろうと言っている。

 2つめに米国の中産階級を実質的に増やすことが重要だという視点。具体的には年収2万5000ドル未満(約300万円未満)の低所得者層の税金をゼロにするという政策で、かつて中産階級だった人々の購買意欲を取り戻そうとしている。

 3つめに税金の使い途を見直そうという視点だ。オバマケアなどのばらまき型政策は大失敗だと指摘して撤回する一方で、空港建設や道路工事などインフラ投資にはよりお金を投資していきたいと表明している。