日本酒の香りを決定付ける重要な役割を担う酵母の話成田不動から命名した関東屈指の佳酒「不動」。キャップが改悪されたのは残念

 前者は「バナナあるいはメロン系の果実香」、後者は「リンゴ、洋ナシ、パイナップル系の果実香」がするといわれている。口に含むと、前者がサラリとしているのに対し、後者はやや重たい印象を受けるのも特徴といえる。

 そのほか、β-フェニルエチルアルコールが「バラの香り」、テルペンアルコールが「ライチ、白桃、マスカット系の果実香」の素になるというから文系出身者にはややこしい。

 これらはいずれも専門的には「官能評価」といい、味や香りを「甘い、辛い」「キレがいい」「コクがある」「フルーティ」といった言葉で表現し、最終的に「おいしさ」を測るのだという。

 それでは、今回は筆者の「官能」レベルから厳選した4本を評価してみよう。

「雅山流(がさんりゅう)極月(ごくげつ)」袋取り 純米大吟醸
華やかなブーケ、というかデラウェアを思わせる優雅な香りは山形酵母のなせる技か。口に含むと苦みが表出するものの、きらびやかな酸味も追随して後口はすっきり。オリエンタル調の余韻が楽しめる。

日本酒の香りを決定付ける重要な役割を担う酵母の話ブルーボトルが鮮烈だが、香り・味わいもまた強烈なインパクトを放つ「三芳菊」

「天吹(あまぶき)」大吟醸 愛山 花酵母仕込み アベリア酵母
上立ち香は(佐賀といえば)あまおうか。含み香はメロンだが、後口に苦味が残る。酸味が不足しているために甘みが勝ちすぎ、味にメリハリが感じられないのも残念。それでも日本酒ビギナーにはお勧めしたい。

「不動」純米大吟醸 吊るししぼり 無濾過生原酒
金沢酵母1401号(泡なしタイプ)に協会9号系901号(同タイプ)を加えた、業界内ではトレンドのブレンド。甲州ブドウ系テイストの香りは平成20BYに比較すると抑制気味で、味とのバランスを意識した造りに。

「三芳菊」特別純米生原酒 直汲み
日本酒が苦手な人にお薦めしたい、徳島酵母とワイン酵母によるコラボレーション。上立ち香は「蜜の味」。ドイツ人に飲ませたら歓喜しそうな“白の貴腐(ライス)ワイン”。氷を浮かばせてロックでも楽しめそう。

日本酒の香りを決定付ける重要な役割を担う酵母の話