ところが、1991年9月28日、マイルスが永眠すると、キースは、そのわずか2週間後の10月12日、ニューヨークのパワー・ステーション・スタジオに入ります。盟友ジャック・ディジョネット、ゲイリー・ピーコックとのピアノ三重奏でマイルス追悼アルバムを録音します。それが「バイ・バイ・ブラックバード」(写真)です。マイルスがステージから去る後姿を捕らえたジャケット写真が、この音盤の意味を静かにかつ雄弁に語ります。

 表題曲“バイバイ・ブラックバード”はもとは古い流行歌です。マイルスが好んで演奏したことでジャズのスタンダード曲になりました。“フォー・マイルス”は、18分39秒に及ぶ長尺。マイルスへの想いを胸にキースが展開する即興演奏が胸を衝きます。

 友情は、時として、全く対極にある者の間に宿り、違うが故に尊敬し合うのでしょう。

ユーミン流ラブソングで異彩を放つ
恋、別離、友情を歌った名曲

◆松任谷由実 “ガールフレンズ”

 ユーミンが作り歌ってきた曲のほぼ全てはラブソングです。

 そこには、出会いと別れの様々な情景が描かれています。世界最古の大河恋愛小説である『源氏物語』を生んだ日本の女流文学のDNAがユーミンの中に息づいているようです。

 そんなユーミン流ラブソングの中で異彩を放つのが“ガールフレンズ”です。1983年12月発表の「VOYAGER」(写真)の冒頭を飾る佳曲です。

 イントロは、残響を抑制したシンセサイザーの打ち込みによるアルペジオ。其処に浮遊感あるギター和音が加わります。鬼才ジョー・ジャクソンの“ステッピン・アウト”を彷彿させる松任谷正隆の洒落たアレンジです。