がんばっているのに、
会社が伸びない理由とは?

 自分は京セラみたいに世界一の会社にする気はない。温泉町の小さな旅館でいい。札幌のラーメン屋でいい。何も会社をそんなに大きくする必要はないのだから、そこまで必死に努力しなくてもいいだろうと思われたら、それは大間違いです。ラーメン横町で一番のラーメン屋になるのでも、人並みではできないのです。

 どんなに小さいところでもトップになるには、人並み以上の努力をしなければなれないのです。そして、ラーメン横町でナンバーワンのラーメン屋になれる素質があるなら、札幌一の大企業にも、日本一の大企業にもなれるのです。経営の要諦は同じなのです。

どんな業界、業種であれ、「トップ」をとるのは並大抵の努力ではできない。(写真はイメージです)

「しがない、こんなちっぽけな商売では、がんばってみたってたかが知れている」と思っているから、会社が発展しないのです。どんな業種であれ、どんな些細な仕事であれ、人並み以上のことをぜひやっていただきたい。それは自分自身との闘いです。

 すさまじいまでの闘魂をもって、誰にも負けない努力をすれば、必ずや会社は成長発展を遂げるはずです。

『稲盛和夫経営講演選集 第2巻 私心なき経営哲学』、「経営と闘魂」より抜粋