コンビニエンスストアは他業態を取り込みながら成長を続けていく。コンビニ大手の今期の商品戦略は、そんな傾向がより鮮明になっている。
「ターゲットは全国3万店のラーメン店。5000億円のラーメン市場への挑戦だ」
3月23日、東京ビッグサイトで開催されたファミリーマートの商品政策説明会で、本多利範商品本部長はこう声を張り上げた。
本多本部長が強調したのは、昨年秋のラーメンのリニューアル。40時間以上かけて熟成した麺や、素材にこだわったスープで「専門店のラーメン」(本多本部長)を実現したことで、500円近い価格帯ながら、売れ行きは好調。麺カテゴリーの売上高は、2倍になったという。
さらにファミマは攻勢をかける。現在、注力しているのが、定番の冷やし中華の刷新だ。麺の改良に加え、春先と夏場でスープの味を変えるなどの工夫を凝らし、専門店並みの商品を開発。麺市場のさらなる取り込みを狙う。
ラーメンと共に、ファミマが狙いをつけた市場がピザだ。約2500億円の宅配ピザ市場で、ピザ1枚の値段は約2500円と昔からほぼ変わらない。だが、「コンビニならもっと安くできる」(ファミマ幹部)と、当面は1人向けサイズのピザのテスト販売を行い、商品展開を検討していく構えだ。