「日本だけ蚊帳の外」は長く続かない
今後の不安は米国経済のピークアウト

 ただ、ヘッジファンドなどの投機筋が円高・日本株安を狙っても、その傾向が永久に続くことはあり得ない。彼らは、基本的に買ったものは売り、売ったものは買い戻しをする。ということは、日本株だけが売られ続けることは考え難い。

 ということは、短期的に見ると、「日本株だけ蚊帳の外」という状況は長続きせず、どこかで売り持ちになっていた部分の買い戻しが入るはずだ。そうなると、日本株も徐々に上昇余地は出てくると見る。

 現在、安倍政権は来年4月の消費税率の再引き上げを実行するか否かを検討しているようだ。そのために、海外の著名経済学者を呼び寄せ、意見を聴取している。それは、おそらく一種のアリバイづくりとも見える。

 すでに市場関係者の多くは、「安倍政権は消費税率の再引き上げを延期せざるを得ない」との見方に傾いている。それが実際に発表されると、株式市場を取り囲む状況はかなり変わる。今年から来年にかけての駆け込み需要の盛り上がりは期待できないが、来年4月以降の反動による落ち込みは考えなくて済む。それは、わが国の株式市場には大きなプラスとなって作用する可能性が高い。

 一方、金融市場にとって無視できないリスクは依然残っている。原油の過剰感は完全に払拭されていない。中国経済の減速に歯止めがかかったわけでもない。欧州の難民問題や英国の国民投票など、不透明感もある。

 また、少し長い目で見ると、上昇過程がそろそろ7年を迎える米国経済に、今年から来年にかけてピークアウト感が出ることも懸念される。そうしたリスクを考えると、世界の主要株式市場は、年初来の売られ過ぎからやや回復している局面と考えるべきだ。

 今後、そうしたリスク要因、特に米国経済のピークアウトが顕在化すると、世界経済が下落傾向に突入することが考えられる。その場合には、ドルはさらに売られ、世界の主要株式市場は振れ幅の大きな不安定な展開になることが予想される。株価がある程度戻っても、本当の意味で安心はできない。