顧客にさらなる奉仕をする
「アップサーブ」とは?

 だが、テクニックとしてアップセールをやり始めると、顧客は、売り込みを避けて離れていく。

 そこで重要になるのが、「アップセール」ではなく、「アップサーブ」という考え方だ。

 サーブとは、「奉仕」することだから、「アップサーブ」とは、顧客にさらなる奉仕をしようということだ。

 このように使う言葉を「セール」から「サーブ」に変えただけで、顧客にふさわしい、おすすめ商品を提案できるようになる。

 マニュアルに沿ったセールストークは、一時的には売上は上がるものの、購入後に後悔した顧客は離れていく。

 一方、顧客のことをあれこれと心配し、顧客の幸せを自分のこととして考えると、顧客との間で話題にのぼる商品も多くなり、購買単価は自然に上がっていく。

 これからは、「サーブ」を徹底する会社が、結局、顧客から選ばれるようになる時代なのだ。

<著者プロフィール>
神田昌典(Masanori Kanda)
経営コンサルタント・作家。株式会社ALMACREATIONS代表取締役。日本最大級の
読書会「リード・フォー・アクション」主宰。上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。コンサルティング業界を革新した顧客獲得実践会を創設(現在「次世代ビジネス実践会」)。のべ2万人の経営者・起業家を指導する最大規模の経営者組織に発展。わかりやすい切り口、語りかける文体で、従来のビジネス書の読者層を拡大。「ビフォー神田昌典」「アフター神田昌典」と言われることも。『GQ JAPAN』(2007年11月号)では、「日本のトップマーケター」に選出。2012年、アマゾン年間ビジネス書売上ランキング第1位。著書に、『あなたの会社が90日で儲かる!』『非常識な成功法則【新装版】』『口コミ伝染病』『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』『全脳思考』『ストーリー思考』『成功者の告白』『2022――これから10年、活躍できる人の条件』『不変のマーケティング』『禁断のセールスコピーライティング』、監訳書に、『ザ・コピーライティング』『伝説のコピーライティング実践バイブル』『ザ・マーケティング【基本篇】』『ザ・マーケティング【実践篇】』などベスト&ロングセラー多数。