また、駅のホームでは、たいていの人がボーッとしたり、スマホをいじったりしながら電車を待っていますが、私は「電車をおりてからの時間を何秒縮められるか」を考えてホームを移動します。

 武蔵野本社は、JR中央線の東小金井駅にあります。
 中央線の車両は、現在10両編成で、列車の先頭から最後尾まで歩くと、約2分かかります。

 中央線の快速列車は、2分間隔(通勤時間帯)で運転されています。仮に、先頭車両(1両目)に飛び乗っても、降車駅の出口から数えて10両目だとしたら、ホームを出るのに2分歩くことになります。

 だとすれば、かけ込み乗車をしないで、乗車駅のホームを2分間歩いてから次の電車(10両目)に乗っても、かかる時間は同じです。そのことを知らずにかけ込み乗車をすると、疲れるだけ(それに危険)です。

 また、ホームに人が多く見えたら「もうすぐ電車がくる」ことがわかるので、急いだほうがいい。ホームに人がいないなら「電車は出たばかり」なので、急がなくてもいい。

 このように私は、電車に乗るときも先を見て、予測を立てている。だから移動による時間のロスがありません。

 正栄産業株式会社(住宅建築/富山県)の森藤正浩社長は、こう言っています。
「一流経営者のスピード感や時間の使い方を学ぶには、小山さんと同じ時間をすごしてみるしかない。そう思って『かばん持ち』を始めたのですが、実際に体験してみて、小山さんが乗っているのはF1マシンで、私が乗っているのは自家用車。それくらいの違いを感じました」