
日本銀行は9月の金融政策決定会合で、保有する上場投資信託(ETF)の売却開始を決めた。ニッセイ基礎研究所の試算によれば、日銀が保有するETFの時価総額は85.7兆円で、含み益は48.5兆円だ(9月19日時点)。日銀が株式を10%以上間接保有するのは71社に及ぶ。日銀はETFの売却について「100年以上かかる」としており、こうした企業の“大株主”に日銀は君臨し続けることになる。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)
日銀保有ETFの含み益48.5兆円
10%以上保有の「大株主」は71社
日本銀行は9月の金融政策決定会合で、保有する上場投資信託(ETF)の売却開始を決めた。
ニッセイ基礎研究所の試算によれば、日銀が保有する保有するETFの時価総額は85.7兆円で、含み益は48.5兆円だ(9月19日時点)。
日銀がETF購入を通じて株式を間接保有し、「大株主」となっている推計保有比率をまとめたところ、ランキング1位は半導体試験装置大手のアドバンテストで、25年8月末時点の日銀の間接保有割合は、発行済み株式の25.1%に達した。
2位は電子部品大手のTDKで保有割合は20.5%、3位は化学大手の日東電工で19.3%だった。「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは17.2%で9位だった。
日銀の間接保有割合が20%を超える企業はアドバンテストとTDKの2社で、15%以上20%未満が14社。日銀が10%以上の株を間接保有する企業は計71社に及んだ。
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