
法政大学は首都圏の難関私立大学群「MARCH」(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大)の序列最下位。それが入試データを中心に形成された一般的な評価だ。しかし経営面で見ると、実は法政大学は「MARCHの優等生」である。連載『教育・受験 最前線』では、MARCHを運営する5学校法人の財務対決をお届けする。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
MARCH序列最下位の法政大学
経営の視点では「実は優等生」
法政大学は全国でも知られた難関大学の一つであるが、首都圏の難関私立大学群「MARCH」(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大)のくくりでは“序列最下位”が定着している。大学入試でMARCHの中で2校に合格した場合、進学先として選ばれる割合が最も低い(『中央大学法学部の都心移転は正解だったのか?「MARCHダブル合格者が選ぶ進学先」最新データが下した答え』参照)。
ただ、大学の将来性は、入試データだけで評価はできない。教育や研究の質を守ったり、さらに向上させていくにはそこに投じる資金が欠かせない。大学を運営する学校法人の経営力も評価する必要があり、経営力が端的に表れるのが財務データである。
受験生が学校を選ぶときには、財務状況にも目を配りたい。そこでのMARCHの優劣は世間的なイメージとは必ずしも一致しない。最新2024年度財務データにおいて、法政大学は重要な指標でMARCHトップになっている。
次ページでは、MARCH5大学を運営する各学校法人の財務を徹底比較した。経営の視点で見た法政大学は、実はMARCHの優等生であることが分かる。