>>(上)より続く

「お前たちの発言はすべて整合性がとれていないのよ!」「お前は頭がおかしい、狂っている、あいつを病院に連れて行け!」

 妻はそんなふうにた当り散らすばかりで結局のところ、事の真相……なぜ娘の進学を祝ってあげないのか、卒業の見込みを疑ってかかるのか、そして娘のことを信じてあげられないのかに言及しないまま、意味不明なことを言い続けたそうです。

「あの日は本当にノイローゼになりそうでした。結局、それから3ヵ月が経とうとしているのに、未だに娘の弁当を作ろうとせず、僕の分だけ夕食を用意しようとせず、自分だけ外で贅沢なランチをしているようで……」

 実さんがショックだったのは危害が自分だけでなく娘さんにも及んだことで、実さんはとうとう「結婚生活」をあきらめざるを得なかったのです。

「今は無理でも将来的には、妻とやり直せる可能性を残しておきたいと考えてきましたが、こんな調子では……将来に向けた建設的な話し合いができないのでは、もう無理です。今後は淡々と事務的に処理(離婚)に入っていこうと決めました」

娘に離婚の意思を告白
最初は離婚に難色を示した娘

 離婚をするので、娘さんは父と母、どちらに付いていくのかを決めなければなりません。とはいえ父が娘の左手、母が娘の右手を握って引っ張り合うような幼子ではなく、すでに物事の分別は十分につく年頃。娘さんにとっても人生を左右しかねない大事な岐路です。だからこそ自分で決めるべきでしょう。実さんは娘さんに離婚の事実を伝えた上で、どちらに付いていくのかを尋ねました。

「できれば仲直りしてほしいよ。このままでいいの」

 娘さんは最初のうち、そんなふうに離婚自体に反対していたようですが、実さんが離婚の意思は固いことを念押しすると、両親の離婚を受け入れてくれました。

「お母さんとは住みたくない。でも、お父さんとも住みたくない。ここで1人で暮らすんだから!」