社会的支援を必要とするのは介護も保育も同じ
「保育園落ちた日本死ね!!!」。匿名ブログがさまざまの待機児解決策を生み出しつつある。小規模保育園の定員増や一時預かりの定期利用などのアイデアだ。お金のかかる保育園本体の増設を避けて、既存施設への「詰め込み」と批判されているが、ともかく前向きの一歩ではあろう。
保育園への入園に不安を抱えた家族は複数の子どもを育てることに躊躇しがちで、少子化の流れを加速させてしまう。年間の出産数が100万人ギリギリの状態なのも頷ける。
何しろ、団塊世代は年間270万人も誕生していた。隔世の感だ。その団塊世代が2025年になると一斉に後期高齢者、75歳以上に達し介護保険と医療保険の利用が一段と増える。
彼らを支える世代がこれほど減ってしまうのだから、政策の重点を何処に置いたら良いのかは火を見るより明らかなはず。
介護保険が始まって以来、高齢者ケアへの関心は急速に高まっているが、表裏の関係にあるはずの子育て、育児の問題はほとんど素通り状態。共に、何らかの社会的支援を必要とする家族にとっては全く同様の問題である。なぜ、育児に介護と同じような保険制度など社会的なシステムが考えられないのだろうか。
まず、介護保険の仕組みを視野に入れながら、現行の育児、保育を見て行こう。