高度な脳の働きを促す
なにげないひと言

 今の紙オムツはとても機能的で、動きを阻害しない工夫がされています。

 オムツは日進月歩で改良されていますが、さすがにオムツをはずした身軽さには劣ります。

 昔はいつまでにオムツをとるかが大問題で、歩けるのにオムツがとれないのは親の怠慢として見られたものです。

 また、洗濯の大変さも重なり、お母さん自身も早期にオムツをはずすしつけを受けたのです。

 オムツが早くとれるのは、子どもの脳の発達がよいと言えます。

カヨ子ばあちゃん式<br />オムツを履かない<br />「ノーパンタイム」のすすめ久保田 競
(Kisou Kubota)
1932年生まれ。医学博士、京都大学名誉教授。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。『ランニングと脳』『天才脳をつくる0歳教育』『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』など著書多数。

「ちょっと待って、トイレに行こうね。パンツを早く脱ぐの、我慢してね」
――このなんでもない声がけが、辛抱する、我慢するという、みずからを抑制する高度な脳の働きを促す
のです。

 歩けるころから感覚を磨くには、五感の1つひとつを磨くのではなく、五感のすべてを絡ませて、1つのことを身につけさせることです。

≪競博士のひと言≫
 ノーパンで歩くことがいいのは、歩く姿勢がよくなることと、快適であることです。

 まずは、子どもにしっかりそのことを理解させます。
 そして、そのときにトイレで排尿・排便をさせるのです。

 排尿・排便を我慢することを「ノーゴー課題」として教えると、ある程度我慢できるようになりますが、あまり長く我慢させないで(長くさせることは意味がない)、排尿・排便が快感であることを教えるほうが、脳が発達して早くオムツがとれます。