福岡県「あまおう」の登場である。従来品種「とよのか」に代わる品種として、福岡県農業総合試験場で育成され、2005年に品種登録、JA全農ふくれんがブランド化に取り組んできた、いちごだ。

「あまい、まるい、おおきい、うまい」というその名の由来のとおり果実が大きく、赤くてつやがあり形が整い、果実糖度が高いあまおうは、大ブレイク。

「消費者からのイメージがダントツ。知名度においても圧倒的なブランド力のあるいちごだと感じました」と後藤さん。

「フルーツショップで、あまおうは1パック1000円くらい、とちおとめは700~800円くらい」(後藤さん)で販売され、栃木県産とちおとめとは約2割の差。「高級いちご」のイメージが定着していた。

 約20年間、王国を支え続け、生食用ばかりでなくケーキ用などとしても万能ないちごなのに、価格で大きな差をつけられていたのだ。

「大きさや甘さのイメージで、あまおうを選ぶ消費者が多かったんです。贈答品としての地位を確保していました」と後藤さん。

「とちおとめも、とても美味しいいちご。あまおうに、ひけをとるとは思いません」

 おりしも佐賀の「さがほのか」や、静岡の「紅ほっぺ」など、各県からも特色のある新種のいちごが次々と登場。予断を許さぬ「いちご戦国時代」が始まっていた。栃木県にとって栄えあるいちご王国の天下を守り抜くために「ブランド力のあるいちご」が必要だった。

いちご乱世を生き抜く
大粒いちご「スカイベリー」誕生

いちごの研究開発を行う「いちご研究所」。建物の屋根もいちごの赤

 いちご王国とちぎ県のさらなる発展を。2010年、栃木県は全国初のいちごの研究開発を専門に行う「栃木県農業試験場 いちご研究所」を開所した。

 次代を担う、新品種の育成や新技術の開発に加え、消費動向などの調査分析を行う機能も加えたいちごの総合的な研究開発拠点だ。