プレッシャーの仕組を知る

ほとんどの人は、自分が抱く感情は、自分の置かれた状況(会場の大きさ、聴衆、経験や準備量)への反応だと考えています。でも、それは思い込みにすぎません。思考の仕組みがわかると、私たちは気持ちを立て直すきっかけを環境に求めるのをやめるようになります。自分の感情の原因(と解決策)は、外にはないことがわかるからです。

思考と感情は一つのもの。二つは一緒に旅をします。私たちの感情は常に、そのときの思考が形となったものなのです。心はカメラではなく映写機に近いことを覚えておいてください。

頭がクリアーで、心が軽いと、物事が簡単で、シンプルで、どんなことにも対処しやすい気がしませんか? このような状態のとき、人生は美しく見えますし、周囲の人はみんな最高に面白くて、いい人に見えます。小さなことに感謝し、いろいろなことが気楽に感じられます。

一方、いろいろなことを考えてしまって、頭の中が取り散らかっているとき、あるいは落ち込んでいるときは、すべてが難しく複雑に見えがちです。周囲の人はわずらわしく、自分勝手でいらだたしく感じられます。人生は美しいなんて思えないし、物事に感謝するどころか、悪い部分をあげつらうことに意識が集中します。

その理由は一つしかありません。人生の見え方は、常にそのときの思考を反映しているのです。重要なのは、思考の内容ではなく、思考の仕組みを理解していることです。それが、私たちのやる気と仕事ぶりを左右するのです。

どんな感情も、自分の思考から生まれることがわかれば、原因はどこか外にあるという考え方は自動的に一掃されて、あなたの心はクリアーになり、今という瞬間に集中できるようになります。心がクリアーになると必ず、あなたが持って生まれた知恵と広い視野をもって世界を見つめられるようになります。会話、問題、ミーティングなど、あらゆる物事に対するアプローチも必ず変わるでしょう。

シャンタル・バーンズ(Chantal Burns)
若い起業家からCEOまで、世界中のさまざまなビジネスパーソンにアドバイスを行っているリーダーシップ・コーチ、メンター。BBCやタイム・ワーナーをはじめとして世界中の有名企業を指導している。三度の来日経験があり、日本でもコーチングを行っている。個人や組織のパフォーマンスを向上させるプログラムには世界各地で定評がある。バーンズは8月に来日予定。今後継続的に来日し、現在 欧州を中心に注目されている 新しいリーダーシップスタイルの開発プログラムを日本始めアジアでも提供していく予定。