「自立ってどういうこと? 自分の思うように生きるには
どうしたらいいの?」そう考え続ける少女でした。
ここですこし、私の自己紹介をさせてください。私は、1973年、団塊ジュニア世代として千葉のごく普通の家庭に生まれました。末っ子だった私は、家族の中で一番発言力がなく、父親には「自由に生きるには、まず自立することだ」と言われて育ちました。
「自立ってどういうこと? 自分の思うように生きるにはどうしたらいいの?」そう考え続ける少女でした。
まず、そのためには「力をつければいいのではないだろうか?」そう仮説をもって、真剣に勉強を始めてみました。そして、就職活動では、氷河期の中、「力がつく会社」を選ぼうと、男女平等の環境で働けるリクルートの営業職を選びました。その後、これからはインターネットを使えばもっと人生は豊かになるのではと考え、もっと力がつきそうな創業間もない楽天へ転職し、新規事業の立ち上げに携わります。
そのままの流れでいつしか自宅の一室で26歳のとき、起業しました。当時若い女性社長が珍しく注目され、おかげさまで、女性マーケティングの事業が時流に乗り徐々に会社を拡大することができました。
また、女性としても、31歳、32歳、35歳と3回の子宝に恵まれ、仕事と子育ての両立にいろいろなノウハウを自分の中に積み上げることができました。そして、2012年には当時女性として最年少で上場を実現するまで、仕事でも成果を上げることができました。
力をつけることを最優先で追求し、そんなふうに、やっと手に入れた自立と自由ではありましたが、そのプロセスの中では、たくさんの壁がありました。自分の最愛の子どもを病気でなくしたこと、二度の結婚と二度の離婚でシングルマザーになったこと。自ら創業した会社を苦渋の決断で辞めることになったこと。たくさんの困難にぶつかりました。
今思うと、不必要な衝突や、不必要な壁があったと思います。ずいぶん遠回りもしてきて、周囲を傷つけてきたこともあったかもしれません。