ロールモデルを追いかけるのではなく、
私たち一人ひとりが、オーダーメイドの人生を大切に創りあげればいいのです

 今、日本の女性は過渡期を生きています。

 一昔前は、結婚して専業主婦となり、子どもを育て上げることこそが、女性にとってわかりやすい幸せのパターンであり、ロールモデルでした。

 でも、今は、必ずしもそうではないのです。
 仕事で活躍するもよし、結婚してもしなくてもよし、離婚も再婚も、以前より認められやすくなりました。むしろ仕事においては、以前なら昇進昇格は男性のものでしたが、今、同じレベルの同僚がいたら、昇進させたいのはむしろ「女性」です。一人でも多くの女性管理職をつくりたいと職場は焦っているからです。

 なので、育児支援に対しても、国も職場も、そして家庭も徐々にかもしれませんが進化しています。
 つまり、私たちは以前より「選択肢が広がった」のです。それもすごいスピードで。

 でも、だからこそロールモデルはいないのです。時代の狭間だから存在しないのです。
 もしかしたら、選択肢が多岐にわたったから、「結婚と仕事のどっちに重きを置けば幸せになれるのか?」「育児と仕事はどんなふうに両立するのが将来のためなのか?」そう考えすぎて、「ロールモデルがいないから不安」「ロールモデルがいないから、どう生きてゆけばいいかわからない」そんなふうにあきらめを感じる人も増えているようです。

 でも、発想を転換させてください。

 「ロールモデルがいない」というのは「こうあるべき」といった指標がないぶん、「自分らしく生きていい」「自分の選択肢で幸せを掴み取っていい」ということなんです。
 もう、ロールモデル探しはやめましょう。ロールモデルを追いかけるのではなく、私たち一人ひとりが、オーダーメイドの人生を大切に創りあげればいいのです。自分らしい生き方で輝けばいいのです。

 好きな生き方が認められるようになった時代の自由を謳歌しましょう。
『すべての女は、自由である。』という本の中ではそのための考え方を書きました。この連載では、その中の一部をご紹介していきたいと思います。