3年前の2013年6月に、合弁会社による初の軽自動車投入において燃費不正があったことが、今回明るみに出たのはなぜか。はたまた開発合弁会社設立と共に立ち上がった軽自動車開発で、トップクラスの燃費を目指すという目標達成に無理があったのか。真相究明はこれからだが、単独事業ではなく開発合弁事業という協業の思惑も、何かしら絡んでいるのかもしれない。

 いずれにしても、三菱自が自社製車両の燃費試験における不正行為を認めて発表した以上、この騒動は日産との次期軽自動車の企画・開発の基本合意が継続されるのか、あるいは協業の開発合弁会社NMKVが存続するのか、という議論にも繋がる可能性がある。

リコール隠し事件の教訓は?
根本的な自浄作用は期待できるか

 その一方で、三菱自動車固有の問題も取り沙汰される。今回の当該軽自動車について、「日産からの指摘で社内調査をした結果、実際より燃費に有利な走行抵抗値を使用した不正を把握するに至った」こと、さらにその他の国内市場向け車両についても、「社内調査の過程で国内法規に定められたものと異なる試験方法がとられていたことが判明した」ことは、まさしく同社のリコール隠し事件以後のコンプライアンス(法令遵守)はいったいどうなっているのか、という議論を呼び起こすだろう。

 三菱自にとって、経営再建途上の苦しい時期に軽自動車開発に日産が乗ってくれたことは追い風だった。しかしそれも、「燃費不正」では元も子もなくなる。結果的に、ユーザーへの補償対応、生産・販売停止による打撃、そして再びのブランド失墜にもつながりかねない。

 ドイツのVWは、世界覇権を狙って急ぐあまり、ディーゼル車排ガス不正問題を引き起こし、米国発の問題がグローバルへと拡大した結果、いまだにその影響が尾を引いている。VW問題を「他山の石」として、コンプライアンス徹底の大切さを自動車各社が身に染みて感じている折に発生したのが、今回の三菱自の不正問題である。筆者には、非常に残念な事態が起きたとしか言えないが、三菱自には改めて真摯な対応と根本的な自浄作用が求められる。