自信とは元々備わっているもの

勇気とは、思い切ってやってみること、そして自分が本来持つ知恵に耳を傾けること。不安や恐怖に耳を貸すことではありません。スーザン・ジェファーズのベストセラー、『とにかくやってみよう──不安や迷いが自信と行動に変わる思考法』(邦訳・海と月社) のタイトルが言うとおりです。

結局のところ、恐怖や不安は、怖がる思考の集まりにすぎません。不安な思考という錯覚を見破れば、すぐに、あなたが本来持つ自信が得られます。なぜならそれは常にそこにあるからです。自信があるのが、私たちの本来の姿であり、私たちは自信からできています。自信がないのは、私たちの思考が生み出した錯覚にすぎないのです。

恐怖や不安を克服する最高の手段は、その本質を見極めることです。その源泉をたどってみればいいのです。自信(コンフィデンス)のもう一つの定義は、「完全に信頼する、または信じる」というラテン語コンフィデンシアに由来します。

自信には、「私たちは常に、巨大で無限の知性に導かれている」ことを理解することで得られる、より深遠な次元の自信があります。そこには私たち個人の心には想像もつかない、すべての答えがあります。個人の思考が本来的に持つ限界の向こうに、私たちが生きていく基礎となる広大なポテンシャルがあるのです。

内から外への理解を通じて人生を見つめるようになると、自信が出てきたとか、自信が戻ってきたという人が大勢います。自信とは、明晰で自由な心が本来的に持つ性質であり、それを唯一抑えつけるのは、外から内への錯覚です。臨床心理学者で、シングルパラダイムのパイオニアであるキース・ブレベンズ博士は、次のように語っています。

 思考と感情を切り離すと、すぐに不安が生まれる。これは、自分が思っても いないことを、無理に感じさせられると(誤って)考えているからだ

内から外へのパラダイムに気づけば、あなたが本来持つ自信と明晰性、エネルギー、モチベーションがもたらされ、あなたにとって一番重要で大切なことを追求できるようになるのです。

シャンタル・バーンズ(Chantal Burns)
若い起業家からCEOまで、世界中のさまざまなビジネスパーソンにアドバイスを行っているリーダーシップ・コーチ、メンター。BBCやタイム・ワーナーをはじめとして世界中の有名企業を指導している。三度の来日経験があり、日本でもコーチングを行っている。個人や組織のパフォーマンスを向上させるプログラムには世界各地で定評がある。バーンズは8月に来日予定。今後継続的に来日し、現在 欧州を中心に注目されている 新しいリーダーシップスタイルの開発プログラムを日本始めアジアでも提供していく予定。