売れる営業は、お客様から肯定的な言葉を聞き出すことができます。営業マンが同じことを言うと、なぜか売れないのです。この違いは何を意味するでしょうか。
新刊『3か月でトップセールスになる質問型営業最強フレーズ50』より、営業における誰も教えてくれなかったエッセンスのみを抽出し、最強フレーズを紹介していきます。今回は、フレーズ30です。
売れる営業は、お客様から契約の話をさせる
プレゼンテーションでは、営業はお客様の欲求・ニーズの実現が自分の商品・サービスで叶うことを説明するのが目的でした。話の中では随時、お客様の反応も確認したはずです。
クロージングに入る前に、お客様に何をしなければならないかを多くの営業マンはわかっていないようです。答えは、お客様がプレゼンテーションを聞いて、あらためてどのようなことを感じ、思い、考えたかを聞いてあげ、意見をまとめてもらうことです。
そのときに使う質問が、「どのように感じられますか?」「具体的には?」などのフレーズです。これは「感じ、思い」を聞く段階です。
お客様 「いいかもしれませんね」
営業マン 「そのように言っていただけるとうれしいですが、具体的にどのようにいいですか?」
お客様 「リビングを改装すると、今までの雰囲気と変わり、新しい家に住んでいる感じになりそうでいいですね」
営業マン 「なるほど、そういうことですか。うれしいですね」
お客様が肯定的な印象を持っている場合は、「良さそうだ」「いいね」「役立ちそうだ」などという感じ(感想)が返ってきます。その場合は、「具体的には?」と聞くと、具体的な事例を言ってくれます。この事例で自分がより強く納得をするのです。自分が感じていること、思っていることを次に進めていくのです。
営業マンがお客様に「それは、やはり、リビングが改装で綺麗になるからですね」などと言ってしまうと、お客様は「そうかもね」と言いながら、白けてしまうのです。お客様は自分で言い、納得したいのです。それを先に言われてしまうと、何か営業マンに話を運ばれているような気がしてしまうのです。
次にいい返事がもらえない場合があります。
お客様 「いいとは思うんですけどね」
営業マン 「率直な感想ありがとうございます。なぜ、そのように思われるのですか?」
お客様 「本当に綺麗になるかなと思いましてね」
営業マン 「なるほど、そういうことですね。○○さん、それはどういうことですか?」
お客様 「実は……。それで……。また……」
営業マン 「なるほど。では、○○さんは、これについてはどうしたいですか?」
お客様 「私もやってみたいと思っていますけどね」
「なるほど。では、○○さんは、これについてはどうしたいですか?」、これは強烈な質問です。お客様は本音を見透かされているように感じます。
もし、「それでも……」と言われるようなことがあれば、「一度じっくり考えてみてください」と言って、今回の商談を打ち切り、仕切り直しをすればいいでしょう。大胆な行動に思われるでしょうが、この状態で商談を進めても良い返事はもらえません。むしろ、考える時間を与えるほうがお客様のためになるのです。営業マンの私たちは売りに行っているのではなく、あくまでもお役立ちのために営業に行っているのですから。