格安携帯に流れていく
ユーザーが止まらない

 それまでは、同じ機種、同じキャリアで同じ料金プランを選択しても、携帯ショップごとに端末価格がばらばらなのが当たり前だった。

 韓国の携帯ショップは、よくソーシャルメディアを使って宣伝するので、ソーシャルメディアを頻繁に利用する人やインターネット検索能力が高い人は、キャッシュバック金額が高いショップを見つけることができるが、そうでない人たちは高い金額を払って端末を購入するしかなかった。

 こうした不公平を是正するために韓国政府は端通法を施行したわけだが、ユーザーの反応は決して良いものではない。「みんなで平等に高く携帯電話端末を買う法律」「キャリアだけが儲かる法律」と、反発の声が圧倒的に多いようだ。

 法律施行から1年8カ月後の現在、韓国の携帯電話市場はどうなったか。

 韓国の通信政策を担当する未来創造科学部(注1)は2016年4月末、端通法施行で家計の通信費負担が軽くなったという報告を行った。それによると、携帯電話利用料の毎月の支払い平均金額は、2014年7~9月の4万5155ウォン(5月18日時点で約4000円)から、2016年4月には3万9142ウォン(同・約3600円)と13%ほど減っている。

 だが、韓国メディアは「利用料が減ったのは、ユーザーがより安い料金プランを選択した結果」としてこの報告を批判した。仮想移動体通信事業者(MVNO)や中古端末を利用するなど、ユーザーが自ら安く携帯電話を利用する方法を模索したからであり、端通法のおかげではないという。

 実際、韓国では、いわゆる「格安携帯」と呼ばれるMVNOの加入者が増加しており、未来創造科学部の統計によると、MVNO加入件数は、2014年末に458万件だったものが、2016年4月には620万件に増え、携帯電話契約件数の10.2%を占めるようになった。韓国のMVNOも、通信キャリアのネットワークを借りてサービスする仕組みは日本と同じだ。

 MVNOのサービスは、SKテレコム、KT(韓国通信)、LGユープラスの通信キャリア3社に比べて料金が安いだけでなく、全国の郵便局が販売窓口になっているので気軽に申し込めたり、スマートフォンを賢く買うための口コミサイトが増えたのも加入者が増えた理由の一つだろう。


注1:「部」は日本の「省」に相当