いろいろと模索していますが、分かってきたことはいくつもあって、重要なのがユーザーとの距離感です。彼らの感覚は目の前に来ている観客くらいの距離感なので、無視されると怒るんですよ。

 目の前に観客がいるところでしゃべっていたら、多少は観客をいじるじゃないですか。それくらいの感覚で番組制作をしてくれと言っています。

Photo by Hidekazu Izumi

 あとは、最初に映るチャンネルに生放送番組を持ってきているんですが、それは、(見たい時に見たい番組を見ることができる)オンデマンド視聴ではないものに慣れさせようとしているんです。

 テレビ放送と同じで、AbemaTVではチャンネルを変えていくと、アニメなどの番組を途中から見ることになりますが、生放送番組が最初に流れていると、ユーザーはそれを違和感なく見るようになる。これは読み通りでしたね。

ネット動画イコール
オンデマンド視聴という意識を変えたい

――今の若い世代は生放送に慣れていないのでしょうか。

「ニコ生」(リアルタイム映像配信サービスの「ニコニコ生放送」)があるんで、生放送に慣れていないというより、「ネットはオンデマンド」っていう認識があるんだと思います。

 AbemaTVで新しい視聴の仕方を提案したわけですけど、かなり違和感なく受け入れられている。麻雀番組なんかも途中から見始めて、ずーっと見ている人も多いんですけど、「最初から見ろ」って言われたら誰も再生しない。

 やっぱり、コンテンツとの出会いってそういうものですし、そのほうが楽じゃないですか。

 ただ、最初から見たいと思うユーザーもいるかもしれない。そのためにオンデマンド機能も提供しています。月額960円の課金制なのですが、これも結構期待できるんじゃないかなという感触は持っています。

――オンデマンド機能があると、通常の放送は見なくなるんじゃないでしょうか。

 AbemaTVは結局、使っているとオンデマンド機能がどうしても使いたくなる。でも、30分とかまとまった時間をいつもつくれるわけじゃないじゃないですか。

 それで、「今何の番組をやっているのかな」って見てみるのは、意外と楽。